memoire



7.アンドレア・ポンピリオ
外国映画の輸入配給に関わると、交渉相手は一人二人の世界ではなく、たった1本の作品でも、大変な数の人と電話、メール(当初はテレックス→ファックス、そして今ではメール)、そして直接面談をすることになります。作品を扱うセラー、作品の監督、プロデューサー、俳優さん達、字幕翻訳者、予告編製作者、現像所関係者、公開予定の劇場担当者、オピニオンリーダー、新聞テレビ雑誌などの映画担当者、編集者、映画評論家、協賛企業担当者、場合によっては大使館や政府観光局担当者・・・本当にとんでもない数の人たちと接触することになります。そして、映画を広く一般の観客のみなさんに理解してもらうためにパブリシティが大変重要になっています、この日本では。
俳優の来日エピソードで思い出されるのが、フランスの名優リシャール・ボーランジェを日本に招いた時のハップニングです。
1993年に出版社の幻冬舎が生まれた時、文庫の最初のラインアップにボーランジェが書き下ろした『美しいな、夜の町』を加えてもらえることになり、高野てるみプロデュース、村上龍監訳で出版されました。


そこで、横浜フランス映画祭の開催にあわせ、ボーランジェをお呼びし(彼自身の映画作品はなかったのですが)、文庫本のプロモーションのためにいろいろな媒体のインタビューを周到にセッティングしていましたが、気難しいことで有名な御仁。スッポカシは当たり前、ともかくpromotionの意味がほとんど理解されぬまま媒体から同じような質問を繰り返し繰り返し受けるのでイライラも最高潮に達し、ほとんどつかみ合いとなり、もはや黄色人種担当者をはずし、少しはユーロカラーの人間を登場させた方がよかろう、ということになり、ボーランジェ対策特別要員として助太刀に来てくれたのが、NHK BS の人気番組「エル・ムンド」ナビゲーター、アンドレア・ポンピリオ氏でした。彼の非常にジェントルな物腰でB氏の怒りも瞬時に収まり、気分よくパリ行きの機上の人となったわけです。
アンドレア・ポンピリオ

ボーランジェ出演作品
(巴里映画配給)
「フランスの思い出」
「フランスの友だち」
「パリの天使たち」



 
 
 
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