アシスタント・プロジューサーIMAI の、カンヌ映画祭初体験記その1。

弱冠、新卒! 恐らくカンヌ映画祭最年少ではないかということで、
武者修行といったほうが良いでしょう、
65回目のカンヌ国際映画祭への フランス出張を終えました。

周囲からは、未だカンヌボケと言われっぱなしで、
東京に戻っても、どうも、地に足がついていない日々。
聞きしに勝る、カンヌ映画祭のインパクトには、
魂を抜かれた感があります。

海外経験は、少なくないと自負していましたが、
カンヌ映画祭は、別物でした。

独自のカリスマ性が会場全体にみなぎって、
茫然自失の夢心地で送る毎日。
なにが大変かと言うと、
ハリウッド映画とは違う、世界中で作られた新作映画が、
コンペだけでなく、各部門ごととにズラリ揃っている。
どれもこれも、自分にとってはなじみのないものばかりなので、
とにかく観るしかないということに。

しかし、映画は、マーケツトパスで観ることも出来るものの、
カンヌ参加初めてということで、やはりメイン会場のパレで
赤じゅうたんを踏んで上映を観たいとこだわり、悪あがき。
毎回、入場するには、正装というドレスコードがあるうえ、
チケットを取らなくてはならず、 それに追われる毎日でありました。

フランスは、クラスがものをいう世界なので、
得意のネットで申し込みをするのは簡単なのですが、
ギリギリ待って最後の最後で、
コンプリ(終了)というサインが出て、
結局、ゲット出来ない作品も多く、
その結果を知ってから、
一日のスケジュールを組み直すということで、
焦りまくりました。

海外から思いを込めて来た者たちにでも、
特に、自分の様な?若造”には、
そう簡単には観せないぞという、
敷居の高さがまた、カリスマ映画祭の威厳を保っている。

そのことを、この身で、しっかり受け止めました。

その赤じゅうたんの真上で、今年の映画祭のミューズとして、
優しく微笑むマリリン・モンロー。
没後60年だそうで、今年の映画祭のアイコンとなったとか。

『マリリン7日間の恋』は、
最近観て知っているので、とても親近感が持て、
毎日のように、私を慰めてくれました。

『マリリン 7日間の恋』
監督:サイモン・ カーティス
出演:ミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナー、エディ・レッドメイン 2011年/イギリス・アメリカ合作/1時間40分/カラー/配給:角川映画/上映中

彼女のビジュアルに引き寄せられるかのように、
多くの名優、名監督が、今年のカンヌ映画祭に、 戻ってきたという話を、巴里映画タカノが、ウエブ・ダカーポの連載に、
カンヌレ・ポート
として書いています。
くわしいことは、そちらもご覧ください。


(photos Masami Kato)