展示のスタイルとしては写真に短文のキャプションを付けて読ませ、かつ見せるといういわゆるフォト・ルポルタージュというのであろうかオーソドックスなやり方である。
被写体との距離が近いと感じられるのはいかにも彼女らしいところだ。若かりしころの作者の写真とおぼしきものもあって彼女の生きてきた道のりを垣間見ることもできる。写真と文章とは互いにおぎない合いながら基地の街沖縄を、あるいは港湾を、ひとびとを、といつでも石川真生の目線で記録している。その写真はオーソドックスではあるがたしかで誠実なものが持つ説得力がある。