Copyrighted by
© TPO co.,ltd
All Rights Reserved.
 
  いろはCLUB
 
え日記: いろはロケハン「汐留→浅草」
reportage par A.Takano
12/4/2006

今年の「いろは春の陣」は、当初は富士吉田隣町の枯れた街、月江寺に行く予定を立てていました。その名前に惹かれ、また甲府在住のいろはメンバーのお話や写真から、富士の山麓まで遠征するつもりでいましたが、やはり東京からは遠いので金銭、時間等のことも考慮し、中止することにしました。ではどこに?

新緑の季節に緑少ない隅田川を水上バスで浜離宮から浅草まで遡ることに決定。さっそく水曜が定休日のジョニーと事務局の二人で(もう一人いたのですが、ドタキャン)ロケハンを敢行しました。その簡単な、え日記ルポを掲載します。

4月某日、汽笛一声の新橋から出発進行・・・。もちろん、その前に京橋のツァイトに寄り、森山大道さんが強力援護射撃の進藤万里子作品展「“bibo”都市のブログ」(26日まで)をお勉強。2メートル1メートル位の大判のモノクロ20点弱に取り囲まれ、何か言葉を探し発せねばと考えているうちに携帯がうなり、ジョニーからのメールが届き、ではいざ出陣と相成りました。ジョニーによれば、この手のプレゼンが今は流行っているそうな。「都市に潜む何か」を感じたい方はお出かけください。さて、「いろは春の陣」ですが、下記の要領で開催いたしますので、参加希望の方はスクール事務局まで申し込んでください。

開催日: 5月21日(日曜日)
集合時間: 13:00
集合場所: 新橋駅前SL広場のSLの前
会費: なし
予算: 水上バス 720円 懇親会 約3500円

■画像をクリックすると大きな画像が見られます
日本の鉄道発祥の地、新橋烏森が集合場所です。夕方になると虎ノ門や西新橋方面から蟻ん子背広軍団がこの駅に戻ってきて家路につくわけです。彼らを狙うサラ金やら飲み屋が誘惑の口を大きく開けて待ち構えているのです。
烏森の反対側には広大な鉄道の操車場があったのですが、今では建材デパート的日本風高層ビル群の風景に変わっています。その昔はそれなりにのどかに列車の入れ換えなどをやっていたのでしょうけれど、物流を自動車に頼るようになった結果、クルマをぶっ飛ばして産地直送をやった方が消費者が喜ぶということで、鉄道の時代が終焉を迎えたわけです。地球は確実に温められています。ビル群から吐き出されるエアコンの熱気とそこに働く人たちの体温とで汐留辺りの今夏の暑さは如何に?
汐留のビル群で渋いデザインを誇示していたのが世界一の広告会社、DENTSUです。経済活動をする中でコーディネーターとしての機能を果たしているわけですが、反面、消費を煽り、モノこそ社会の中の最大価値であるという幻想を抱かせる工夫を日夜しているところでもあります。
みなさんも幼稚園や小学校の遠足で行ったことがあるかもしれません。そうです、浜離宮です。まるで汐留のビル群のためだけのお庭になったようです。園内は意外と広く、のんびり散策していると浅草行きの水上バスに乗り遅れます。気をつけましょう。新緑の頃はもっと色がビビッドになるでしょう。乞うご期待。
水上バスで浅草に行くには浅草発の便に乗船し、一旦日の出桟橋に寄ります(日の出桟橋発のバスは浜離宮に寄りません)。浜離宮→浅草ルートは海外からの観光客やビジネスで来た人たちがOFF日に遊ぶ手ごろなコースらしく、ロケハン日は水曜日でしたが、海外勢も目立っていました。切符窓口で売り子に便の時間など聞いていた異人さんがいたので、事務局が may i help you? をやろうとしゃしゃり出たら、売り子さんに「分かってます!(余計なお節介)」とぴしゃり。
船上から見えた昭和初期創業の築地の老舗料亭「治作」。事務局も一度だけ行ったことがあります。もちろん、ちゃんと食しに。
水上バスからの風景は比較的単調ですが、それがまた「春のうららの、隅田川〜」の調子に合うわけです。護岸整備も一段落しているようで、遊歩道が両岸に延々と続いています。(ずっと歩けるわけではなく、途切れ途切れですが、続いているのです)
橋を撮ろうと思ったら仲のいいカップルが。デートコースの定番なのでしょう。カメラ付き携帯はヒートアップには今や必携品。
水上バスが平べったく、背をかがめて歩かないと天井に頭をぶつけてしまう訳がわかりました。なにもセーヌを行き交う観光船のイメージを真似したのではなく、橋の高さが満潮時などかなり低くなり、1メートルを切っているのは間違いない。この写真ではあまりよくわかりませんが、かなり接近する場面もあり、ジョニーは思わず背をかがめていました。
40分ほどのクルージングで無事浅草着。ビール色というか黄金色に輝く巨大UNCHIとアサヒビール社屋。(UNCHIではなく、ビールの泡なのでしょうか。詳しい方教えてください)ナビの田中さんは以前このビルの中にあるニコンカメラ販売のプロサービスというセクションに勤務していました。ビールには辟易しているようで、最近は小ジョッキでドリンクスタートです。ビルの向こう側が向島、業平、そして押上で、そこには東京タワーよりも高い世界一のっぽの鉄塔が建てられるそうです。
浅草といえば、雷門。雷門といえば、巨大提灯。この時知りました。松下電器提供の提灯だということを。みなさん知っていましたか。
夜は早めに店も閉まってしまい、閑散としている仲見世ですが、昼は観光客で賑わっています。特に、アジアの勝ち組が胸を張って闊歩しています。

伝法院通りのカラフルショップ。

浅草版“おけら街道”は、JRAの場外(競馬)がオープンしていなかったので、おっちゃんたちの嬉々とした顔や、うな垂れ気味の姿を見つけることもなく、若い暇持て余し連中やワケあり年寄り+若女などを散見するのみ。この牛すじ煮込み、絶品。この「鈴芳」とかいったおばちゃんの店で懇親会を開く予定。
 
ご存知、並木の藪。辛口のそばつゆで有名であります。最近はハトバスも寄るとか聞いて嫌な気分となりましたが、近所の連中がなんの気取りや気負いもなくそばを、ずるずるしているのを見て、ホッ。池波正太郎ワールドいまだ健在。
タルの菊正は定番。うまい!
そばのボリュームがかなりありそうですが、実はざるがかなりの月の引力的アールを描いていて、1ずるずる、2ずるずる、3ずるずる、程度で胃袋に入っておしまい。しかし、みなさんのご近所の朝日屋、増田屋、鈴木、松月庵、長寿庵といった店とはちと趣が違うので要チェック。
浅草のシンボル、合同酒精製造の元祖「電気ブランデー」の神谷バー。大分前のいろはの京島への小さな旅でこちらの2階席をキープしましたが、メニューが少なく、$も安くないので2度と利用していません。が、まだ飲み足りない、腹へった、という方は電車に乗る前に1Fにお寄りください。