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FOTOLOGUE/フォトローグ
 
  FOTOLOGUE東京8/6
  さよなら『カメラジャーナル』」
ライカを20年余も眠らせていたジョニーから
終刊への哀悼の辞
  ジョニー
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のっけから終わりになっちやう話で、あれですがカメラジャーナルが124号で終刊になってしまいました。数年まえヨドバシカメラで見かけて以来、ときどき買ってはそのうちどこかに失してしまうというくらいの読者だったのですが、それでも主筆の田中チョートクさんのカメラに対するスタンスには密かに賛同するものがありました。
こどものころオヤジのビューティーフレックス(ローライフレックスの粗悪コピー?)と比べて、友人の持っているフジペットがうらやましかったり(両方とも120フィルムを使用するところが共通点なんだけれど)、歳の離れた従姉がオリンパスペンEEを買ってもらって見せびらかしていたこととか、高校の新聞部で使っていたペンタックスSPは、物凄く大きなシャッター音で講堂中に響き渡ったこととか、そういったことというのは同世代でも環境がちがうと、ものの見事にすれ違うたぐいの話題なので、誰とでも気軽に話せるというものでもないようです。
チョートクさんも、そういったことを大っぴらには書いてはいませんが、その行間から当時の機械好き少年のにおがしてきたものです。かれのカメラの原点であるライカへのひんぱんな回帰にも、そうした彼のカメラに関する蘊蓄がいかんなく発揮されていて、とてもおもしろい読み物になっていたように思います。「神蔵美子」の名前を知ったのもこの雑誌ですし、ペンタックス6×7を首から下げて佐内正史をきどる佐内ファンの若い女性がいる、ということを知ったのもこの雑誌でだったような気がします。今どきカメラだけではなくふるいカメラも視野にいれたカメラ雑誌が少ない昨今、カメラジャーナルは貴重な1冊だったのではないでしょうか。