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FOTOLOGUE/フォトローグ
 
  FOTOLOGUE東京12/26
 
“Strange gallery”
  浦上純子 
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街はクリスマスムード一色。クリスマスシーズンは何かいいことが起こりそうでワクワクするのはワタシだけでしょうか?
しかし、この能天気な気持ちと裏腹にいつもこの時期になると思うことがあります。日本人は、クリスマスにはクリスチャン、大晦日は仏教徒、元旦になれば神教徒。まるで宗教ボヘミアンみたい。そんなに深く考えていない日本の無神教の国民性の成せるわざでしょうかな?
まっ、こんな話しはともかく、クリスマスムードの都会をぬけて、ワタシは鎌倉へ行きました。“ここは鎌倉だかんね!”という威厳のようなものがただよい、初冬のいつもの落ち着きのある雰囲気でした。そんな雰囲気の街の中にひとつの不思議なギャラリーを見つけました。看板も何もでていない、よく見ないと通り過ぎてしまいそうなギャラリー…。
中に入ってみると、以前職人さんの仕事場だったようで、その佇まいを残しつつ、“いったいここは、何をするところ?”と思わずにはいられない空間でした。オーナーは、洋服やバックをデザインして販売している女性。その洋服などが並べられているスペースがあり、土管を縦に切ったような中に写真を5,6点並べて写真ミニギャラリーにしているスペース、喫茶スペース、たまざわじゅんこさんという、ぬいぐるみ作家の作品やイラストが展示してあるスペースと、チョット一見統一性のないごちゃ混ぜギャラリー。
でもその時は、『靴下展』なるものをやっており、靴下をはいた子どもの写真、靴下をはいたように見える足をしたネコの写真、靴下の形をしたオブジェなど、靴下をモチーフにした色々な作品が並んでいました。(ネコの写真は中野愛子さんというプロカメラマンの写真だそうです。)これは外に置いてあったのですが、“何日か連続してはいた靴下の臭い”の謎の物体が入った小瓶もありました。(嗅いでみる勇気はありませんでしたが、どうも謎の物体の正体は“バレリアン”というハーブの根だそうです。)
なんか最初に入った時は、正直「なんじゃ???」と思ってしまいましたが、(オーナーすみません!)オーナーの話しを聞きながら、作品を見ていると作った人の暖かさが伝わってきて、帰る頃には暖かい気持ちになって「鎌倉に来たらまた来よう!」思いました。
写真もそうだけれど、作品を見るだけで人の心に響かせることが究極かもしれないけれど、作った人の思いや背景を知ることが作品を楽しむうえで、もっともっと大切だということを改めて感じました。