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北京胡同 (べいじんふうとん)/井岡今日子
銀座ニコンサロン 2003.6.9−6.14
 

 私は、北京生まれの北京育ちです。日本で生活するようになって早や13年が経ちました。故郷を離れても、昔の懐かしい光景が目に焼きついています。何年前からか、帰国する度に驚くほど北京の風景がどんどん変わっていき、いつの間にか子供の頃に住んでいた胡同は影も形もなくなってしまいました。

 胡同は、北京に特有なもので、日本語で言えば路地や横丁のようなものです。元の時代に形成し、明と清の時代にかけて少しずつ発展してきました。1990年代初期までは市内に6000本あり、胡同を名乗った路地は1316本もありました。その胡同を繋いだら、万里の長城よりもながいのではないでしょうか。

 北京の胡同は、ワインのように、時代が古ければ古いほど味があります。多彩な人間関係、素朴な生活の場、胡同文化がいまだに庶民の生活に息づいています。今北京では、高層ビルがどんどん建ち、街がダイナミックに変化しています。2008年の北京オリンピック開催は、さらに胡同を取り壊すことに拍車をかけています。 そんな胡同を、懐かしさを感じながら、三年前から撮り始めました。


 消えゆくを 惜しみて 撮りぬ
 ふうとんの壁よ 四合院よ 昔を語れ