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FOTOLOGUE/フォトローグ
 
  FOTOLOGUEメルボルン9/17
 
メルボルン
プリシラの国、Gallery+Barに夜な夜な集うアーティストたち。
  久保田真理 
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メルボルンシティの北側に位置するフィッツロイは、若者文化の発信地。そんなユニークなエリアに、GalleryとBarが一緒になった「Ume nomiya」があります。日本人のタケシとニュージーランド人のフィオナが、2001年9月にスタート。今までいろいろなアーティストの作品をプロデュースしてきました。
3週間ごとに入れ替わる展示は、壁につるせるものならなんでもOK。写真や絵画はもちろん、焼きものもあったそうです。「会場使用料も作品が売れた場合のコミッションも一切なし。オープニングパーティを開くことぐらいが条件かな」と、オーナーのタケシさん。パーティーといっても、オーストラリアは勝手が違います。来た人が自己負担でドリンクやフードをオーダーするシステムだから、アーティストが費用を持つ必要はなし。だから、製作費用のみで展示ができてしまう、アーティストにとっておいしい話なのです。
Galleryをやりたいとうのは、フィオナのアイディア。「自分自身はそうじゃないけれど、周りの友だちにはアーティストが多いから、アートがとても身近だったのよね。このBarを始めるときにね、絵や写真を飾れるようにプレーンな壁があったらいいなあと思って。だって、3週間ごとに壁が変わるのって、私にとっても楽しいことじゃない」とフィオナ。
「BarとGalleryを一緒にやるには、ちょっとした問題もあるわ。ライトが暗から、Galleryとしては最適な環境じゃないのかも。でもね、Galleryにはアートに興味がある人しか集まらないけれど、Barならそうじゃない人も集まってくるでしょう。だから、いろんな人に作品を見てもらうチャンスがあるって考えると、Barの展示もなかなか面白いと思うわ」
日本の文化や情報を発信するような空間、人が集まる空間を作りたいという思いでこのBarを始めたタケシさん。客層は日本人以外が圧倒的に多いけれど、ここで展示をする人の30%くらいは日本人で、その率は他に比べて高いそう。「メルボルンで創作活動をしている日本人は多いですよ。僕の友達はそんな人ばっかりだなあ。週3日働けば家賃と食費くらいはなんとかなって、残りの時間を創作活動に当てられる。だから、メルボルンにアーティストが多いんじゃないかな」
オーストラリアで興味深いのは、作品を売買するという発想があること。このBarでも、だいたい1作品100〜200オーストラリアドル(1ドル=約80円・2003年8月時点)の値段がつけられています。「買いやすい値段に設定されているのも売れる理由だろうし、好きな作品を手元に置いておきたいという発想があるみたいですね」とタケシさん。先日、友人の家に遊びに行ったら、Barで購入された作品がちゃんと飾ってあったそうです。
メルボルン在住歴10年のオオタニシオさんとボーイフレンドのローエン。もともとコスチュームなどを作っていて、Ume nomiyaにある座布団などをデザイン。数年前からグラフィックアートを始めて、ここでも展示を2回やったそうです。「自分の作品を壁にかけて飾るのって楽しい。自分がどんな風に製作したか、作品が一連のシリーズとしてどうかを客観的に見られるからね。あと、知らない人が自分の作品を買ってくれたりすると、本当にうれしい」。ちなみにローエンもフォトグラファー。
8月に個展を開催した、ミヤモトタケシさん。日本、中国(上海、香港)、タイ、台湾を旅したときの写真を、オーストラリア人のアジアに対する認識をテーマに展示していました。メルボルンで50人にアンケートをとって、アジアをイメージするものをピックアップしたそう。「ここで自分の作品を見てもらって、名前を知ってもらうのがうれしい。おまけに、作品が売れて製作費用が回収できたら助かるよね」。タケシさんは、私が通うPSC(Photography Studies College)の2年生。フォリオ作成クラスの先生・ニールが、オープニングパーティにかけつけていました。
■お店情報・リンク
Ume nomiya
197 Gertrude Street Fitzroy VIC 3065 Australia
PH:+61(3)9415 6101
Tuesday-Sunday 6-1
info@umebar.com
http://www.umebar.com