series column 何でもシネマチック!
◆ series column 何でもシネマチック!#12
先に観るか、先に読むか、映画と原作の微妙な関係。 今回は、「クライマーズ・ハイ」と「ミスト」について。
「クライマーズ・ハイ」は、いただいたチケットで何気に観たら、 とてもよかった。堺雅人がうまかった。 テレビですでに演じてたそうですから、さもありなんでしょうが、 いいですねー、彼。 で、原田正人監督の腕前もかなりあがったと思いました。 原作を読むと、全然内容が違う。 演出力も、監督の腕前のうちでしょう。 映画の方が好きかも。 こうやって、読むには時間かかりそうだと思わせる 小説も、 楽々読みこなせるのが映画の力。
今、読まねばと思うのが、スティーブン・キングの「ミスト」。 キングは優れた文学者であり、映画原作者でもあるので、 また、キングのホラー的な要素も、もともと大好きなので、 映画化されるやいなや、必ず試写会か、劇場に出かけましたが、 今や、追いつかない。 それにしてもDVD新作としての「ミスト」は、いかがなものか? キング作品も、大きく二種類あって、「シャイニング」や「グリーン・マイル」のように 文学性が高いものと、本当のお化け、 化け物が出てくるものとあり、今回の新作は、化け物もいいとこ。 しかし、失望はしない。 お化けのせいで、パニック状態になった時、一番怖いのは、人間だよ。 人間が人間を壊していく。 明日でも、この現状が実際に起こるんだ、この世の中は。 とも言っているような、エコ、サバイバルにも通ずる物語と読み取れば、 あの、笑えるほどのお化けたちも、リアリティーある。 今の時代の、地球温暖化や食品汚染や公害から生まれる 眼に見えない脅威の メタファーなのかも。 私は昆虫が嫌いじゃないので、こわくなかったし・・・。 シャイニングだって、巨匠キューブリック監督が作った、ジャック・ニコルソン真骨頂の あの演出に大ブーイングで、自身で同名の映画を作るという思い入れをしたキングものだったが、 芸術的なシャイニングより、原作に忠実なそっちがお気に入りだというのだから、 やっぱり、お化け物が、キングの真骨頂なのかも知れないし。 であれば、今回のミストは、上出来の映画作品だったでしょう。 原作者にとっては。(タカノテルミ)
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