幻の女
1987年/スイス・フランス合作/カラー
/1時間42分

スイスの監督といえば、ダニエル・シュミット、そして本作品のアラン・タネールに代表されるが、タネール監督作品の中でも、フランスとスイスの合作作品であり、舞台がイタリアはヴェネチアから船で1時間の美しい港町キオカジアという本作品の美しさは、このうえない。さらに主演女優ラウラ・モランテはイタリア女優だが、タネールを思わせるジャンニルイ・トランラインセン扮する主人公の映画監督が、理想とする女優を探して旅に出て夢うつつとなっていくにふさわしいファム・ファラールをみごとに演じている。日本でもこの映像、旅情のエキゾチシズムに賛同したファッション・ブランドのメルローズが故、ペーター佐藤氏が描くところのラウラ・モランテのイラストをモチーフとした特別製のスカーフを作りプレス関係者に配り、映画業界でも話題となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

原題 la Vallee fantome
監督 アラン・タネール
製作 ジャン・ルイ・ポルシェ
脚本 アラン・タネール
撮影 パトリック・ブロシェ
音楽 アリエ・ジェラルトカ
出演 ジャン=ルイ・トランティニャン
ラウラ・モランテ
ジェイコブ・バージャー
ほか
1987年 ヴェネチア映画祭正式出品作品